原色の朝、一杯の熱い、フルーツのような珈琲を飲む。
そのために、必要な言葉たちの徒然。

11.27.




道端をじわじわと這う、この未確認物体の如く珍しい
芋虫の様に、所詮この世は絶望であり、私達の
人生なんてふとした拍子にいともたやすく吹き飛んで
しまう、それも木っ端微塵に。
なんていう事実を若い頃には実感として知らなかった
ものだから、逆に今になって強くシンパシーを感じて
しまうんだな。
一つの地で踏ん張り続けながら目の前の仕事を丹念に
こなしていく周りの仲間の姿勢に。


この、小さな店を訪れてくれる、NYの偉大なフラワー
アーティスト、東京の誇り高き時計職人、この地で
か弱き人達に寄り添い続ける崇高なソリスト、
その他諸々の地道な友達たちに、大いなる感謝の念を。




日々のこと - trackbacks(0)
11.26.

今年は、定休日にお店様行脚する余裕も殆どなかった
にも関わらず、写真展だけは隙を見てかなりの数を回った。
多分、自分の精神が、音や動きや熱気よりも
銀塩プリントのざらつきを求めていたのだと思う。


開催中の須田一政「凪の片」は、今年見た中では最も
生々しい感触で、紅い花然り、恐山然り、その画の前では
自分の汗の粘りが、じわじわと肌中を湿らせて
いくかのようだ。

この感じって、「天井桟敷」は無論だが、「黄色舞技団」
とか「解体社」の地下演劇の生々しさそのもの。









誰の気配もない村外れの深夜12時。
点滅を繰り返す遮断機の降りた踏切。靄がかった赤い光が反射する、その棒の手前と
向こう側では、ひょっとしたら重力の
異なる異形の
世界が共存しているやもしれず、一旦そこを渡り
切ってしまえば、もう体内のヘモグロビン濃度さえ
我が血液の限界に達してしまったりするかも
しれないのだ。

私達の誰も、「マッチ擦る束の間」の猶予も
与えられぬまま。




ART ? and SHOP? - trackbacks(0)
KUSA.'s coffee beans→珈琲屋台ひばり屋





冬へと切り替わる今時分、日々、沢山の出荷に
追われてます。



閉店後も、夜更けまでロースト作業へ突入しているところ。


那覇の「珈琲屋台ひばり屋」さんの、今月の珈琲豆は
KUSA.担当。

魂込めてます。

観光のお客様、沖縄在住のお客様、是非、この秘密の
花園にてご一服下さいませ。



KUSA.の珈琲豆を飲める場所、買える店 - trackbacks(0)
11.24.





私達二人、かつて働いていた職場の前の商店街を
とぼとぼ歩く。

何もかも変わってしまったような気もするし、何もかも
何一つ変わっていないような気もする。

馴染みの珈琲店を二件はしご。

一件では、小さく流れるトランペットのレコード
聞きながら、ネルドリップの珈琲を飲み、もう一件では
シュトックハウゼンのCDを聞きながらスペシャリティの
珈琲を飲む。

ゆっくりゆっくり秋が閉じていく。

黒田の詩ではないが、そして、私にはふいに明日が
見える。

投げ捨てられた鉄パイプ、木の台に並べられた惣菜、
点滅を繰り返す蛍光灯、擦り減った会社員の革靴、
セレクトショップから出てくる女子大生のセルロイド
フレーム。

ああ、やっとわかったよ、神サマ。
ふいに明日は見えるんだ。
ちゃんと。



日々のこと - trackbacks(0)
11.20.

秋から冬に切り替わる頃、日が昇ってまだ間もない朝、
子供を学校へ送り届ける前の束の間、焙煎機を予熱する
為に幾つかのスイッチを稼働させるほん前の隙間の時間、
ぽつねんと存在する朝露に湿った生命の庭。






この世界では、私達を取り囲む全ての細部細部は時に
「愛おしき美」であり続け、またある時にはふいに
「霧色に覆われた暴力装置」とも化す。
全ての細部。全ての光景。全ての人間。


それは、人々の脳内の記憶の堆積とリンクし、例えば
一杯の珈琲のカフェイン、例えば一本の煙草の
ニコチンにダイレクトに反応し、いかようにも
フラッシュバックしていく。


時間は等しく与えられる、なんてのは嘘だ、巨大な
宇宙の時間の流れの中では限りなく時は
歪められているのだから。


それでも、ここに立つ者は
数少ない愛を、
祝福し合おう。

強く。

あるいは、諦観を以て。




日々のこと - trackbacks(0)
KUSA.'s coffee beans→1 ROOM COFFEE

私の、跡形もなく溶けてしまった記憶の中では、
「いつか見たこんな街角」という風景は、
ファッショナブルでスクエアと化した渋谷や新宿や
吉祥寺といった都市にはもうなく、今や池袋とか上野の
外れの方の一画に潜んでいたりする。



そんな喧騒から歩いて40分、列車で4駅ほどの中板橋駅の
すぐそばに満を持してオープンされた「1 ROOM COFFEE」さん








じっくり吟味して微調整したエスプレッソブレンド、
稼働するはシモネリ社のハイエンドマシン。




濃厚、濃縮、冷めるにしたがい微かな果実感を残す
エスプレッソ&ラテ、
そして、KUSA.'s boutique coffee の中から旬の銘柄を
フレンチプレスで。


珈琲と真っ向から向き合う真っ当かつ正統派の
エスプレッソコーヒーショップが誕生しました。




プロのバリスタのフレンチプレスは、粉を測って
ポンピングするだけとはまた違う一手間をかける訳
ですが、その一手間で珈琲の表情ががらりと
変わってくるものです。



こちら「1 ROOM COFFEE」さん以外にも、KUSA.'s boutique coffeeをフレンチプレスでもサーブしてくれるお店が、
フレッシュな「apartment.m cafe」さん、珈琲と正面から対峙し、研究し尽くす「sens et sens」さん、料理とのマリアージュにこだわり抜く「ごくりっ」さんとありますが、
この秋、それぞれ各店舗さんの珈琲の香味の違いを楽しんで頂くのも
とても興味深いと思いますよ。



KUSA.の珈琲豆を飲める場所、買える店 - trackbacks(0)
KUSA.'s coffee beans→cafe 具琥

中華のシェフが鴨川へ移住して開いた
小さくて
センスの良いカフェです。

美味しいランチとデザートが、珈琲と共に頂けます。






「cafe 具琥」さん。

野菊の様に、可憐で優しい佇まいのご夫婦が
切り盛りされています。


珈琲に関しては、素晴らしいドリップテクニックを
習得して頂き、KUSA.喫茶からマイルドなブレンドと
少し深めのブレンドを提供させて頂いておりますので
是非、素敵な眺めの店内にて堪能して下さいね。








KUSA.の珈琲豆を飲める場所、買える店 - trackbacks(0)
11.02.


ふぅーっとため息一つ。

豆腐屋廃業の知らせ。

焙煎機の隣りの扉を揺する、
秋の風、吹き。

Gene Tyranny の不協和音のピアノの音色、深夜に
我が厨房を横切っていく。



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