原色の朝、一杯の熱い、フルーツのような珈琲を飲む。
そのために、必要な言葉たちの徒然。

11.30.
この時期は長生村でも、もう16時半で暗闇が広がっていく。
店回りも暗くて、夕方から来て下さるお客さんには、申し訳ない気持ちでいっぱい。
駐車場、電気一つで歩きづらいだろうな、でも、店内はランプ灯ってるんで、暖ったまっていって下さいね。



それにしてもやっぱり冬は、銀座がいい。
寒い夕暮れどきに、小さなギャラリーか、
映画館で暖を取り、扉を開けると、
歩行者たちの白い息と街灯が広がって、
ああ無事生きてるんだな、と実感できる感じが良い。
銀座の街灯は、冬の澄んだ空気によく映える気がする。


とは言え、気持ちがささくれてしまって、
そんな華々しさを受け入れたくないとき
だってある、そんな時は、静かな静かな外房、
冬のギャラリーだ。

今週は、興味深い展示が。。
12/1〜12/7 土気のgallery tenさん。
「sensation」展

tenさんの深淵なる、温かな眼差しで
選び抜かれた本年最後の作家展。


〜12/5(金土日のみ) 養老渓谷近くの梦心坊さん。
「布の記憶・裂織」展

絶景、エネルギッシュ、津軽より。



ついでに、KUSA. 喫茶では、
来週から順次、X'masシュトーレン、
お引き渡し開始です。
スパイスの香り、ふんわりと。

ギャラリーの後、フラッとお立ち寄り下されば、嬉しいような、そんな気分。
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11.29.
善き日のための映画、

ウエス・アンダーソンの作品は、

「ライフ・アクアティック」も「ダージリン」も痛快

だったけれど、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」は、

人生のさらなる無垢さが存分にフィルムに刻印されて

おり、ぼけっと、ぼーっと、為すがままに、鑑賞する

のみだ。



そして、見終わって、ふぅーっと深呼吸するや否や、

「幸福の形はみな似かよっているものだが、不幸の形

はどれも全て違っている」というトルストイの言葉と

は、ふと全く逆のことを思い描いてしまうのです。
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11.28.


「今日はいい天気ですねぇ」
「そうですねぇ」
「明日も晴れると良いですねぇ」
「そうそう、善い日になればねぇ、
本当にねぇ」

そんな他愛もない会話が、無性に
愛おしく感じられる日もある。
毎日毎日、他愛あることが多過ぎるし、
それになんと言っても海に近い場所の
夕空は、潮風のせいで、きちんとした
茜色をしてるものだから。
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11.27.
夏の終わりから、じっくりラム酒に漬け込み、
とても滋味深くなってきたドライフルーツたち。




まずは、来週お引き渡しの第一便の
お客様のために、最初のひと瓶をまず。

KUSA.のシュトーレンは、じわっとした
ドライフルーツと、独特の生地の食感が
特徴で、ご予約は、予定数終了まで受け
付け致しますね。



さてさて、師走目前です。
これからX'masまで、既にひと月を切り
ました。
働き盛りの人はイルミネーションに
うつつ抜かす暇もなく汗を流し、子供の
いる家庭では、子供達のプレゼントの
リクエストに四苦八苦し?、恋人たちは、
X'masディナーのあれこれを考え、訳も
なく気分が高揚しているときでしょう。
さらにまた、年の瀬を乗り切るのに、
不安と苦しみを抱えてる人もきっと沢山
いるはず。

考えてみれば、私達日本の庶民は、ずっと
その昔から、金銭面でも肉体的にも、年越し
ってのは一つの正念場だったりしていたもの
ですから。

私達が、シュトーレンやX'mas珈琲を仕込ん
でいるとき、何となく心をよぎっているのは、
そんな、HAPPY X'masを迎えるだろう人たち
や、はたまたぎりぎりの水準で踏ん張り続け
ている生活人に至るまで、自分達も含めた
全ての老若男女に
「幸あれ」、
「サンタよ見放すなかれ」っていう、
ささやかな祈りだったりする訳です。
これは、とても率直にストレートな気持ちで、ね。
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11.23.


まるで、二つの真っ白な満月のような
石川若彦さんの器。
少量入荷です。

KUSA.でもオープン以来、使い続けて
6年目。所々、欠けたり、ヒビが
入ったり。
それでも愛着は増すばかり。
ほっこりとした白は、全ての食事を
引き立たせ、しみじみと感謝の念が
湧いて来ます。


ホワイトクリスマスの贈り物にも、
ラッピング致しますので、
手にとってご覧下さい。
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11.22.
お客さんがそっと教えてくれた、
おぼろ月。


tuki.jpg


極楽浄土の蓮のよに、
耐え得るために、戯れましょう、
孤独とともに。



少しだけ、頬染めてみた、
あの人みたいだ。
今夜は満月、大潮で。

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11.20.
子供いない夜は、ゆっくり時間をかけて
食事したり、少し良い酒を嗜んだり、
それから、ようやく引っ張り出してきた
灯油ストーブをメンテナンスしたり、
労働歌を聴きながら自分の内なる声の
言葉を紡ぎ出したりする。




冬間近。
満月前夜は、タカダワタル的で。
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11.17.
FENNO.jpg

FennO'Berg at SuperDelux は、実験家による
実験研究のようなライブで、良くも悪くも倦怠
に包まれており、10年後のまぼろしに立ち会っ
てるかのようで、そしてまた、アスピリン的に
思考を麻痺させるものでもある。



六本木の外は雨降り。
古い珈琲屋でナイト珈琲すすり、しっとり。
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11.16.


疲れた心には、まっさらな空気を、
朽ちた身体には瑞々しいワインを、
ということで、
今週はcafe fuchsiaさん
ボジョレーウィークに出かけようか。




「ナチュラルなワインと静かな音楽、もしくは友とのおしゃべり」

fuchsiaさんの枕詞。
なんて魅力的な言葉だろう。
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11.14.
人生は、時折、というよりむしろ、その
大半は不条理さに覆われており、不公平
極まりなく、いわゆる一寸先は闇という
フレーズがぴったりのものなのだが、
そこにわずかでも情愛のようなものが
存在する限り、生き続ける価値はある
のだと、sabu監督の「幸福の鐘」のラ
ストシーンを観ていて、じわっと感じ
てきた。
いや別に、この映画自体でそんな事が
説かれてる訳では全然無いのだが。
小さな三人家族が、町の生活帯に俯瞰
されてく情景を眺めてて、ふとそう
感じたのだ。



そして、今。秋。
今日、珈琲飲みながら若い友人は言った。
「結婚相手は愛とかで選んじゃだめだよ、
失敗するよ」と。
その人は失敗したのかもしれないし、失敗
したかどうかなんて、どうでもいい。
でも、伝えておく。

「結婚なんて、愛に決まってんじゃん!!
地べた這うような努力もしてこなかった
青二才が、結婚のことなど語るな。」
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