原色の朝、一杯の熱い、フルーツのような珈琲を飲む。
そのために、必要な言葉たちの徒然。

12.29. 雑録.
年の瀬。
寒さ厳しくなるが、喜びも多数。

今日は頂き物の日で、大いに恐縮する。
採れたての林檎、キュウイ、突き立ての餅、沖縄土産。KUSA.のラミネート写真。 手造りの和菓子。「cafe ふくろう」のキャニスター。
お客さんからの葉書。涙。

wagasi
cafe fuschia さん自家製の、美しき練り切り。



カレーの「こだまや」さんの忘年会に、行き当たりバッタリに紛れ込む。 いい店には、いい応援団が集まるものだ。

KUSA.ブログを見た人から、家族への愛情を感じると言われたこと。

たくさん。いい事。

本物の愛情は、気持ち、というより、行為の積み重ねである。

日々のこと - trackbacks(0)
Merry Christmas.
開店以来、始めてイブとクリスマスが定休日に重なり、
慌しくも何とか家族でクリスマスを祝うことができた。

私達のクリスマスは、仕入れついでに、子供と都心のキラキラを眺め、静かなブティックでそれぞれのお気に入りの冬物を選び、カウンターだけの小さなバーガーショップで、ポテトや肉厚のパテとバンズ、シーザーズサラダをつまみ、ここ何年か贔屓にしているsol levante でエスブレッソを飲み、帰ってからゆっくりと冷えた白ワインとX'masシュトーレンを三人でちびちびとやる。そんな感じ。小さな幸福。

そして、今年の私達の一番のプレゼントは、「届きましたよ!」とか、「美味しかった!」と、 わざわざ通販ギフトの連絡を下さったお客さんの声たちだ。



sinjyuku
冬は、日本全国、平等に上の方から落ちてくる。
どうか、誰もが凍えることなく、年を越せますように。

日々のこと - trackbacks(0)
12.22. 雑録.
X'masギフトや、年末用の珈琲豆の出荷など、ようやくひと山過ぎる。
頭にいっぱいのチャフをつけながら、奥方は手を切らしながら、
この何週間か半分徹夜で乗り切る。まずは、お客様に感謝。
と同時に、ブログなんかで自分の苦労話や愚痴を書いてるのってやだなぁと、思う。反省。
職人や芸人や芸術家などというものは、結果で示せば良いのであって、
泣き言や苦労話など、語るべきではないのだと個人的には思う。


嫌なことがあって、
亡くなった祖父のことを想い出す。
沢山の地獄をくぐり抜けてきた、大好きな祖父。
そういえば、ある小説の中で、老人は言っていた。
「嫌なことがあるというのは、きみ、それは君が人生の真っ只中にいるという証拠だよ。」

日々のこと - trackbacks(0)
12.19. 雑録. 田園に死す、とか.
明日、20日(日)は、HPでお伝えしておりましたように、臨時休業とさせて頂きます。



さてさて、師走ももう半ば過ぎ、公私ともに、猫の手も借りたい忙しさ。

今日は、「kurosawa」のご夫婦、デザイナーmiasaちゃん、 キュートな写真家Tさんが朝から店内にて撮影。 「kurosawa」のパンフレットを新たに作成するようです。 「kurosawa」ご夫婦も、来春こちらの地域に引っ越してこられるようで、 とても楽しみです。


yakei

5年前に比べて、長生村周辺も、個性的な面々が随分と集まってきた。
この町には、素っ気なくも逞しい波をもつ海があり、中くらいの緩やかな川が流れ、
冬には、薄暗い月灯りの下、
人の吐息の気配のする、無造作な田園が広がる。 そんな町。

私達は、この場所を信じてる。

日々のこと - trackbacks(0)
12.17. 雑録.
MANY SYUTOREN

休日返上で、シュトーレン作り、焙煎に終われる。汗が吹き出る。腰に痛み。
貧乏暇無し。

でも、昨夜は、インドカレー屋さんのこだまやさんと、農業家Kクンと、近所の「CANA」さんにて、極上のラムカクテルを飲み飲み。すこぶる良い塩梅だったお陰で、仕込み中も気分はリフレッシュ。90年代の音楽の話が出たので、久しぶりにbuddhastickのCDを引っ張り出し、BGMにしながら、北園克衛の作品を読んだりする。

『1935年の若いジェネレイションは
 細長い黄色いサロンから生れた。
 一本の旗は無限の晴天に対して充分に有効で

 二つの目的を一時に解決するとき透明な思考が生れるのだ。』


何ヶ月ぶりに満天の星空を気にしながら、
私は、その、「細長い黄色いサロン」を見てみたいと思っている。
そこに、佇んでみたいと思う。


日々のこと - trackbacks(0)
12.12. 雑録.
年の瀬間際のこの時期は、ただでさえプライベートで多忙な訳だが、
珈琲屋は、冬の一番の飲みどきのために、朝も晩も仕込みに背を押される、
せわしない日々の連続。


kouka

でも、寒さ和らぐ冬のある朝、空気は何週間ぶりにくっきり透明で、
思いついて、朝一番の珈琲屋のモーニングへ旧友を誘い、
高架の上、横切る列車もない、まっさらな線路をぼんやり眺めたりしながら、
心の中で固まっていたどうにもこうにもならない靄々を、
健やかなほんわりとした泡へと変えていく。

そうでもしなければ、通り過ぎる色々な些事に気づくことも
ままならなくなってしまいそう。
「この道」を今、踏みしめることのできる幸運。
旧花街の外れの、うらびれた軒先並ぶバラックにさえ、
「本物のプロ中のプロ」が存在しているという事実。
欄干の段ボールの隙間から垣間見える、起死回生をまだ諦めてはいない、
持たざる者のネバッとした眼光。


みな、
全身で生きる者たち。

日々のこと - trackbacks(0)
12.07. 雑録.
オープン間もない頃から通って下さっていたお客さまが、結婚され、出産され、近く新しくカフェを開かれる。 その建物は、房総の山の田園の中にひっそり佇んでおり、若い二人だけで建てたのかと思うと、そこにいるだけで、 心こみ上げてくるものがある。

私は知っている。瓶詰めされたコンポートの、とても丁寧に灰汁抜きされ、味付けられた、その人の金柑の味を。
私は少しだけ知っている。
その人の、悲しみのことを。

羽毛のように軽く感じられる、生まれたての、赤ちゃんの匂い。
希望に満ち満ちた、真新しい木と塗り壁の匂い。
広々としたチェア。
小さな厨房。
窓外の田園風景。
誠実さを持つ、二人だけの息遣い。

そういったものが、私達の「絶望のようなもの」を、少しずつ少しずつ和らげてくれる。

mai cafe さんです。


ART ? and SHOP? - trackbacks(0)
12.04. 雑録.
kouyou


師走。
ご自宅用、お歳暮、贈答、、二人とも、珈琲とパンの仕込みに追われる。。。
合間を見て、秘密の花園のような紅葉スポットで、も抜けの殼の如し。

午後4時、「gallery TEN」さんにて、硬質な内田剛一さんの器を鑑賞。

午後5時、漆作家•水野谷さんの、ぽってりとした可愛らしい銀継ぎを受け取る。

午後6時、郊外の駅前のX'masイルミネーション。

冬のか細い雨の中、茫然と過去を跨ぎ、 ただただ赤を模索し、毎日、珈琲豆を焼き、 珈琲をドリップして、そうか、 私達、世界の100億分の1くらいのささやかな クリエイションを試みているのだ。
日々のこと - trackbacks(0)
| 1/1 |