原色の朝、一杯の熱い、フルーツのような珈琲を飲む。
そのために、必要な言葉たちの徒然。

11.27. 雑録.
今年は公私にわたり、雑務に追われて、 恒例の夏ギフトや秋ギフトに、余力が回らなかったので、 冬ギフト、X'masギフトは例年通り作ろうと、 毎夜、試作に明け暮れている。(まぁ、主に奥方が..)
おかげで、冬ギフト、良いものができそうです。 X'masの方は、昨年同様、KUSA.のシュトーレンのセットですが、 昨年のお客様から既に結構ご予約頂いてるので、 今、急ピッチで最後の味の微調整を行ってます。 (これも奥方が..)


時々、定休日のひっそり静まった厨房で、 二人してあれやこれやと 格闘していると、ズシンと疲労に襲われる。
でも、最近、連続して、 山口瞳や池波正太郎や福田和也の飲食にまつわる文章を読んでいたら、 「店の粋」というのは、結局、職人の魂で以ってして、 この味と最後までお客さんと全うするぞという 覚悟の決め方なんだな、と知る。 だから、私達は、冬の夕闇にすっぽり覆われながら、 人知れず、頑張るだけだ。
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11月のkibi cafe.
kibi

今週25日の水曜日、神奈川県平塚市のアンティークショップ「menu」さんにて、kibiさんの、 kibi cafe開催です!
kurosawaのレザーワークショップも行われます。 お得な価格で自分だけのとっておきの革製品をこしらえて、日々のせわしない気持ちをほっとさせるkibiさんのお菓子を食べて、熱々の珈琲で身体を温めて...。ちょっと記憶に残る冬の一日になるかもしれません。

KUSA.喫茶の通販、季節柄か、只今、少々混み合ってます。。 kibi cafeにて珈琲豆も販売していますので、神奈川方面の方は 是非お味見を! KUSA.の珈琲は、昭和2号機と呼ばれる、最もシンプルな構造の直火式焙煎機で、じっくり時間をかけて焼き上げます。 ちょっとフルーティーな豆の味わいは、冬のひと時に、ささやかな身体へのご褒美になるかと思います。
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休日雑録.
休みの日にボジョレーヌーボー解禁日。
白子町 cafe fuchsiaさんにて、今年は、ボジョレーにしては腰の太い飲み応えのあるワイン、鴨のカスレ、レバーのパテ栗の甘煮添えなど、手のこんだフレンチをツマミに大いに骨休め。
金曜は、千葉市 cohakoさんにて、宝探し。店の備品やら、子供服やらを買い込んで心躍る。ここは、美し物好きの大人たちの、小さなワンダーランド。友人の、ハチのマークの革ブランド「kurosawa」や、他にも可愛らしい小物の作家さん達が29日(日)まで、出品中みたいですよ! 
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01.17. 雑録.
何年か前に、椎茸を宿している立派なナラの木を頂いた。若き農業家であり、インプロビゼーション音楽を愛するKクンからだ。そして、それをKUSA.の庭の奥に、そっと眠らせておいたものの、なかなか顔を出さず、時たま折りを見て、ひっくり返したり、霧吹きしたりしていたものだが、今朝、寒い中、焙煎を終えて、ふと気付くと、2年越しに神々しい椎茸が自生しているではないか。カカオ分たっぷりのチョコレートのような色、生まれたての赤子くらいの大きさの笠。 息吹。 SHIITAKE


私達の埃まみれの生活、手付かずだが小宇宙のような庭に芽生えた生命。
全てを開け放つような生命だ。
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11.14. 雑録.
人間は産まれてからというもの、少しずつ少しずつ何年もかけて自分の細胞を滅ぼしていく訳だが、ほとんどの人は、それに抗おうとするか、逆にニューエイジ的に受容するか。 でも、時に、優れた身体表現者は、失いゆく細胞と共振して、 別次元の肉体風景を獲得しているかのように思える。

「平山素子 life casting」(新国立劇場)を観る。
満席。舞台、ライティング、音楽、至ってミニマル。
その舞台で、平山素子以下、カンパニーの彼女らの肉体には、一瞬、神が乗り移ったようで、 私達の「生の逆説」をグラつかせる。 終盤、クラクラ。 ミニマルコンテンポラリーの一つの到達点だ。


hatudai

夜10時。終電間際の、帰りの特急電車。子供は夜行列車気分で一向に眠る気配なく、買ってきた小島信夫の本をめくる暇すら与えられず。
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11.12. 雑録.
店を始めて4年もとうに過ぎ、その間にも、様々な新しい店が生まれ、 そして、少しずつ、去ってゆく店もある...。 確かに、自分の技術やサービスでお客さんからお金を頂く個人商店というのは、 まあ 想像以上に大変なものだ。
でも、飲食店のことなら、少しは知ってきた。 遅めの焙煎を終え、深夜コンビニまで車を走らせているときに見える、 ぽつんと明かりの灯った厨房で、一人、黙々と試作を続けている若い料理人。 自分の店を閉めてから、夜バイトへと出かけて行く、年輩のシェフのことも。

なので少なくとも、今はこう思っている。
たとえ凡庸で平凡な料理であったとしても、来る日も来る日も、料理人が体を張ってサーブする、 その温かな一皿の方が、凡百のどんな専門的なグルメ評論よりも、やっぱり価値があるに違いないと。
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11.08. 雑録.
『kurosawa 』のベビーシューズ、秋色の新作。とっても、ビューティフル!  ぽつねん、ぽつねんと、店に並びます。是非、手に取ってみて下さい。

kurosawa


秋冬まで十分な量の生豆を仕入れていたはずなのに、一部、もう底を尽きそうで、ショックを受ける。ブレンド構成を少し微調整しなければ。。

「OLAibi」の1st、2ndを立て続けに聞く。シンプルなパーカッションのみの編隊なのだが、ほんとに良い。身体に響く。 ROCKは死んだだの、現代詩は終っただの、でも、ほんとは、まだ始まってもいなかったんじゃないの、ひょっとして、と思えてくる。 =KUSA.ブログの応援clickです.=
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11.05. 雑録.
昔から寒いのは苦手だが、珈琲屋を始めてからは、室温が低いほど、珈琲豆を管理し易くなるので、少し嬉しい季節でもある。

コインランドリーで、久しぶりにTVを見る。時代がいつになろうと、何年経とうと、 胡散くさい事件を胡散くさい人物が起こしているのだなぁ。
そして、◯党も、◯党も、◯党も呑気な顔した呑気な演説で、こちらは何とも乗り気がしない。ひとことで言えば、ノーフューチャーな気分だ。人を共感させてくれる政治家はいなくなって 何度も何度も消去法で選挙をさせられるなんて、いい加減うんざり。チープなロックじゃ躍れないのとおんなじだ。

aki


私達は、秋の終りの、柔らかい冷気の中を歩いている。 小さな季節の変わり目の痕跡を、必死に感じ取ろうとしている。 大切なものを、何もかも失うのは避けたいと願ってる。 =KUSA.ブログの応援clickです.=
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銀座を歩く.
ginza


秋の夜の銀座は、煌びやかさと静謐さが同居していて、何と言っても美しい。中層のネオンのチカチカは、冷たくて澄んだ初冬の空気にくっきり浮かび上がり、他の都市より一気に密度の高くなる黒やグレーの服装の人々、オーソドックスだが、しっかり隙の無いメイクを施した女性たちを一層眩しくさせていて。

もちろん、他の街と同様、銀座も年々変貌していくし、椎名誠さん曰く、幼稚化し、品格が堕ちてしまったと言うのも、まあ確か。

たとえば、クラブのホステスさんというのは、新宿、六本木、銀座へと、ステップアップしていくのが通常だったので、一昔前などは、銀座のトップクラスのホステスさんというのは、美貌もさる事ながら、ちょっと安々とは近づき難いオーラというか凄みのようなものがあって、普段着姿の時でさえも、やっぱり高嶺の花だった。 でも、今は、まあ普通の娘さんが客引きみたいな事もやってる...。確かに、銀座も変わった。
でも、それを差し引いても、ここの澄んだネオンの彩りは、濃くて高い珈琲も、ひどく懐かしい。子供のころのまばゆい、大人の街。

下町の「郷愁」でもなく、新宿や渋谷の20代の頃のハチャメチャな「思い入れ」とも全く違う感覚の銀座は、だから、この時期の並木通りを一人闊歩していると(一人でないと、そんな気分にはなないのだが) 頭が澄んできて、少し涙がこぼれそうで、そして、その頃のまばゆかった大人達を、長い時間をかけて失ってきた寂しさを、呆然と感じられずにはいられないのだ。 KUSA.ブログの応援clickです.
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