原色の朝、一杯の熱い、フルーツのような珈琲を飲む。
そのために、必要な言葉たちの徒然。

01.30. 雑記.
とある評論家が、ミュンヘンとブリュッセルの酒場は、
ヨーロッパ各都市の中でも、とりわけ気が利いていて、
良い雰囲気だと書いていたので、その辺の珈琲屋なんかは
どうなんだろうと気になる。
どちらも珈琲文化の根付いているお国だし。

そう言えば、ブルージュには「JAVANA」という、
なかなか有名な自家焙煎店があったなと思い出し、
この夏には家族でベルギーにでも行こうか、という言葉を
真に受けた奥方が、せっせと宝くじをまとめ買いしている姿に
私も息子も思わず笑ってしまう。



あーあ、と溜め息付いて、見上げた空は、関東地方の、
断続的な冬の細雨に閉ざされていて。







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01.27. 雑記.
・定休日のお問い合わせを多く頂く。
 4年目にして定休日を変更させて頂いたのは、
 カレンダー上、月曜日の祝日がとても多いのと、
 諸々の子供の事情があったことによります。
 どうかご了承下さい。
 
 価格改定のことも少し。
 この1年近く、原材料費がかなり圧迫し続けており、
 ちょっと根負けした形です。。
 特に、ブレンドは、例えば、コモデティの豆を使って
 格安で提供するなど、お店によって様々な作り方が
 あるのですが、KUSA.ブレンドは全てスペシャリティの豆で
 構成されています。
 今までは、「町の珈琲屋」の気楽な日常の一杯をモットーに
 価格を抑えこんでいましたが、本年より、売り豆は
 ストレートと一律価格でいこうと考えました。
 こちらもご了承下されば幸いです。




・建物も5年ほど経ち、そろそろ屋根の修繕を、と考えているが
 その時間もお金も余裕無し。
 全く、庶民ってやつは、、。



bara










・1月の寒い朝、一輪の真っ白な薔薇が咲く。
 庭の、薮草に混じって、一輪。
 何故、最も寒いこの時期に、この花は独りひっそり
 蕾を開かせたのか?
 この「何故」にこそ、魂のほんとの理由があるように
 思えてならない。






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1.25. 雑記.
昨日から営業再開。
パワー全開で、と思っていたのに、
子供の病気が移ってしまったのか、
どうにも体調が優れない。
淡々と、淡々と、ドリップを繰り返す。
とは言っても、うちの店では、豆の焙煎度に応じて、
湯温を3、4度抽出ごとに変えているので、
ぼんやりはしていられないのだが。。


長生村は厳寒で、(というほどではないが)、
保育園の送り迎え、買い出しが身にこたえてくる。
どうしてか、こういう日は、愛車の油圧も上がり気味で
ご機嫌悪く、久方ぶりにかかってきた古い友人の電話の声も、
弱々しく途切れ途切れで。。



明日もどうか、良い一日でありますように。
タイトなドラミングの隙をついて、
柔らかなヴァイブが割り込んでくる、
'60s jazz recordのような美しき瞬間に、
どうか明日も立ち会えますように。








明日から月火は、通常営業。
定休日が木・金に変更になります。

通販のご注文が少々立て込んでおり、返信遅れております。
ご了承下さいませ。





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休暇日誌.
大掃除と仕込みの日。
看病やら、建物の補修やら、メニュー改訂やらで、
楽しみにしていたイベントやライブを棒に振ってしまった
休暇だったが、でも家にこもって、店のこと、家族のこと、
落ち付いて考えることができる良い機会だったとも思える。



古川日出男「聖家族」を読み始める。
タイトルで毛嫌いしてはいけない。恐ろしく重厚な小説だ。
昨今のやわで、スローで、退屈しのぎな書き物を一蹴するような、稀に見る傑作かもしれない。


ゆらゆらの'94稀少盤、手に入る。
もちろんアンダーロック名盤で、ジムモリソンのように、
どす黒く美しく歪んだギターにめまいがし、まるで
「この世の単純作業の『奴隷と神様』が、我々に反逆してる」
かのよう。



たとえもし、世界に絶望してしまったとしても、
まだ人間には絶望する訳にはいかない。
という大きな気づき。








今週24日(土)より通常営業です。
定休日は、木・金に変更になります。


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町の外れで.
千葉の外れの方の場末の町工場では、ワンマンな社長が
今時珍しいくらいに、年配の工員に罵声を浴びせている。
そこは、部品なんかをアフリカやら中近東やらに流しているらしい
業者で、バラックのようなプレハブの中にまで怒声が響いてくる。
(珈琲とは関係ありません、所用です。)

このご時勢、飲食店なんかでも、カウンター越しによくよく
観察していると、父親の歳くらいの雇われ職人さんが、
30代くらいの親方に顎で使われている様子を、
目にすることも多いのだが、ここはもう殴る蹴るまでは
いかなくとも、やさぐれオーナーがもう5分おきに
怒鳴り散らしており、おじさんはすっかり萎縮してしまっている。


で、この手の経営者?は、大抵お客にだけは愛想を振りまくか、
逆に同じように横柄な態度かのどちらかで、今回の場合、
後者だったものだから、こちらも忙しい時間を割いてきてる訳で、
案の定、喧嘩というか口論になってしまい、1、2時間も
居座る羽目になってしまって、まあ結局は丸く収まるものの、
やはりカッカしてしまう。




帰り道、首都圏の幹線道路は相変わらずの大渋滞だ。
でも、ボンネットに映えるきれいな冬の夕陽を眺めていると、
次第にほとぼりも冷め、考えてみれば、今まで自分の働いてきた
数々の職場だって、同じようなところばっかりだったし、
まあ、働いてる従業員は不運かもしれないけど、
こういうアウトローな作業場も、存在としては嫌いでもないのだ、
個人的には。




帰ってみると、息子のインフルエンザも峠を越えていて、
ほっと胸を撫で下ろす。
熱い一日だった。








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冬の休暇です.
世間より一歩遅れで、冬休みに入る。
店の補修、釜の清掃、細かい見直し、確定申告など、
何気にやることだらけだ。

なので、たった一泊の家族での小旅行を心待ちにしてたのだが
よりによって子供がインフルエンザ。。
旅行は延期せざるを得ず、水疱瘡〜お多福〜インフルエンザと
立て続けに息子もしんどいだろうが、
こちらもこちらで骨の髄まで疲れしみこむ。
つきっきりで病院へ連れて行ったり、手分けして仕事の続きを
したり、小さな子供を持つ家はどこもそうなのだろうが、
全然休みの感じがしない。



何だか途方に暮れてしまって、寝込む子供と看病疲れの妻を
尻目に、テスト焙煎した濃い目のケニアを、
夜になってから一杯だけ飲む。
眠れなくなるの分かっていながら。








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coffee beans.
KUSA.喫茶の珈琲豆の種類は、生豆の在庫が底をついたり、
新たに仕入れたり、毎月のように変動しているのだが、
自分の怠慢でなかなかHPの更新がままならず、
お問い合わせが増えているので、
ここに現在のストレート珈琲豆の種類を列記しておきます。
1月いっぱいはこのラインナップで変更ありません。

・コロンビア  トレド地区 中煎り 
・エチオピア  イディド地区 中煎り 
・インドネシア LCFマンデリン 中深煎り
・グアテマラ  サンタカタリーナ農園 中深煎り
・コスタリカ  リラ農園 深煎り
・エチオピア  イディド地区 深煎り


下の豆ほど、深煎りで苦みがでてきます。
KUSA.の豆は、農産物としての珈琲の表情を残すため、
基本的にはダークローストには焙煎していないので、
深煎りでの豆でも燻り感はないです。





05e85eec.jpg








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長生村は快晴で、珍しく風もなく、焙煎日和。
年明けは強風の日が多く、分刻みの排気調節が
やや難航したので、ほっとひと安心。

早朝。ゆらゆら揺れる布きれに、
そっと照りつける柔らかな午前の光が、
低血圧の頭には、神の救いのよう。







明日12日(月)は営業です。

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ライチ+ティー.
今日、お客さんから、他の場所で珈琲屋を営むんだったら、
どこがいい?と聞かれたので、ニューヨークですと即答した。
若い頃はあまり興味なかったのに、年追うごとに、
都市としての奥行きの深度に魅せられていくし、
家族でひっそりニューヨークの外れのアパートに暮らしながら
小さな小さな珈琲店をやれたらなぁと、
独りよがりに夢見たりする。
ざわついた街路の路地裏で、もくもく上がる珈琲の煙の下に
ぽつねんと、メキシカンピンクを配した小さな店。







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友人の一人は、ダブリンでファインアートを続けてるし、
友人の一人は、ロンドンで、多作な画家としてシーンの
先頭にいる。
先輩の一人は、ポルトガルで独自の世界観を築きあげており、
別の先輩は、アラスカで子育てしながら働き、
私の身内の一人はボリビアで、必死に生き延びてる。


そして、北京で講師をしながら、鼻利きの高級茶芸師として
活動してる先輩もいる。
その人に、独自のルートで北京郊外の「老師」から
仕入れてもらった、特級の「ライチ紅茶」。

オープン以来、ティーに関してはグリーンルイボスブレンドを
サーブしていたが、良質なルイボス茶葉の仕入れが
不安定気味でどうしようかと考えていたところだったので、
この茶と出会ったときは、嬉しかった。
天然フルーツのほのかな甘味が引き立つ、美しい紅茶で、
今月からKUSA.でも運転開始。
珈琲のカッピングに疲れたら、私達もそっとひと口、啜り、
短い癒しの時間を堪能してます。







1月12日(月)成人の日は、営業致します。

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first reading.
その親しい友人は、真っ黒なタートルネックに、
50's スタイルの一部表面の剥がれたレザーを羽織って、
古いレコード屋のそばでつまずきながら、ゴメンゴメンと
頭掻き掻き駆けてきたものだから、
いつものように笑って許してしまう。

この面子の間では、年明けの初読み、初聞きは、割と重要で、
彼は、「ギターウルフ」を思いっきりハイになって聞きつつ、
大杉栄の自叙伝なんかを読んでいたそうで、それはそれで、
興味深いチョイスだなぁと感心した。


私はと言えば、元日から営業だったもので、
俄然穏やかな選択で、早朝仕込み前に、久々に仕入れた
コロンビア・ティピカ種をテイスティングしながら、
ビートルズの「ABBY ROAD」とフィリップ・ロンピの
映画音楽集を交互に聞いて、気持ちを上向きにさせていた。
初読みは夜、高橋源一郎の「さよならギャングたち」で。
ギャングは、ポストモダン文学(古い..)の金字塔とさえ
呼ばれているが、小説の背骨というかぶっとい芯が、
うわべだけの解体、引用、キッチュさに、全くひるむことなく
突き通っているので、全然飽きることなく、
年に一回くらい読み直す。
子供が日々成長している私には、小さな娘キャラウエイが、
少しずつ少しずつ呼吸が弱くなっていって、不意に一言だけ
「おいたなんかしない」と言う別れのページに、
胸締め付けられ、過剰に反応してしまう。




自分のチョイスも、うん、これはこれで、
一年の始まりにしてはアンダーになり過ぎず、
全然悪くない兆候だ。
すこぶる悪くない兆候です。








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美酒礼賛.
房総半島、2009年の年明け、快晴。海よりの風が少し。
忙しさに追われてはいるが、すがすがしい気分だ。


久しぶりに再会した設計士のwakabaさんから頂いた酒、
成田の「不動」をちびちび飲りながら、
深夜12時前後のほんの束の間、
お正月気分を楽しむ。
しかし、この純米大吟醸、さすがにボディがあって
甘さもしっかり、やけに旨い。
ラジオから流れてくるwar「WHY CAN'T WE BE FRIENDS?」の
60年代的ハーモニーが、さして好みでもないのに
ぐっと胸に沁みてくるほど。






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