原色の朝、一杯の熱い、フルーツのような珈琲を飲む。
そのために、必要な言葉たちの徒然。

読書.
房総、真冬の合間の小春日和。
KUSA. 喫茶、冬休み明け初日は常連さんたちで賑やか。
気合い入れ焙煎したつもりの珈琲豆も、知らぬ間にショート。
明日から、また気を取り直して焙煎。
久しぶりにエチオピア・イルガチェフェの深煎りを焼く予定。


シンセミア






若き常連さんと小説の話。

彼は、若い作家さんを読み漁ってるらしいけど、私はあまり
同世代の作家のものは読まない。相性があまり良くないせいと
ある種の羨望が入り混じってしまって。
でも、阿部和重さんだけはちょっと別。
「アメリカの夜」〜「インディヴィジュアルプロテクション」
「グランド・フィナーレ」と、どうしても目が離せない。
タイトルと裏腹に、彼の作品は、暴力と変質性が
主軸になっていて、それでいて、たるみなく、
一気に読ませる筆圧の高さがあるから。そして、
「シンセミア」は現在の時点で最高傑作に達している作品だ。
地方の「神町」という小さな場所を舞台に、殺人、盗撮、
ネット犯罪など、いつものようにグロテスクに進行するが、
まるでシェークスピアの悲劇の様に物語として昇華していく。
(これは言い過ぎ?)
誰かの言ってるように、プロの物書きは頭脳ワークというより
きっと肉体労働なのだ。
そういう意味で、彼は、世の最前線とまでは言わないけれど、
少なくとも本土から遠く離れた前線地帯で、紛う事無く
戦い続けている作家だ。
だから、疲れ果て朦朧としながらベッドに入っても、
いったん「シンセミア」をめくり始めると、
どうにも止められなくなってしまうんだ。



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房総、真冬の合間の小春日和。
KUSA. 喫茶、冬休み明け初日は常連さんたちで賑やか。
気合い入れ焙煎したつもりの珈琲豆も、知らぬ間にショート。
明日から、また気を取り直して焙煎。
久しぶりにエチオピア・イルガチェフェの深煎りを焼く予定。


シンセミア






若き常連さんと小説の話。

彼は、若い作家さんを読み漁ってるらしいけど、私はあまり
同世代の作家のものは読まない。相性があまり良くないせいと
ある種の羨望が入り混じってしまって。
でも、阿部和重さんだけはちょっと別。
「アメリカの夜」〜「インディヴィジュアルプロテクション」
「グランド・フィナーレ」と、どうしても目が離せない。
タイトルと裏腹に、彼の作品は、暴力と変質性が
主軸になっていて、それでいて、たるみなく、
一気に読ませる筆圧の高さがあるから。そして、
「シンセミア」は現在の時点で最高傑作に達している作品だ。
地方の「神町」という小さな場所を舞台に、殺人、盗撮、
ネット犯罪など、いつものようにグロテスクに進行するが、
まるでシェークスピアの悲劇の様に物語として昇華していく。
(これは言い過ぎ?)
誰かの言ってるように、プロの物書きは頭脳ワークというより
きっと肉体労働なのだ。
そういう意味で、彼は、世の最前線とまでは言わないけれど、
少なくとも本土から遠く離れた前線地帯で、紛う事無く
戦い続けている作家だ。
だから、疲れ果て朦朧としながらベッドに入っても、
いったん「シンセミア」をめくり始めると、
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KUSA. 喫茶 明日から営業.
c60c3f20.jpg







昨今の珈琲業界では当たり前に言われているが、
ワインと珈琲は、似ている。
産地のテロワールによるキャラクター性が大切という点では
とても近いものがあり、私はワインに精通してる訳ではない
けれど、やはり意識的に味わうようにしている。
そして、何より疲れた心身を癒す一杯という点においても。。


KUSA. 喫茶、日曜日から、仕入れ、仕込みに追われてます。
今日は、5時間のピッキングで、これから焙煎。
毎度のことですが、せわしない休暇で終わりました。
でも、仕入れの間を縫って、ちょっとした気分転換も。
長年、研究を続けているそば粉のクレープ。
その名店、学芸大学の「POPHOT」さんで、
相変わらずのボリュームとしっかりした味付けを堪能。
そしてそして、代々木の隠れたワイン処「煮込み屋 なりた」で
凡百のワインバーが影を潜めてしまうような
極上のフレンチ&白ワイン。
今回チョイスしたアルザスの2005年ものは、
噂には聞いていたものの恐ろしく絶品で、
マスカットのきれいな酸と、これこそまさにテロワールの産む
フルーティーさ。
こういう一杯が、日常の疲れを吹き飛ばし、
新しいインスピレーションを産むきっかけになる。
私達のささやかな冬期休暇記念ボトル。

「MARCEL DEISS」
肉料理にも合うボディのある白を探していた方には、
是非おすすめ!




長生村は雨がしとしと..、厳寒期に突入。
KUSA. 喫茶、明日から営業です。
静かに、優しく、雨が上がってくれることを、祈るばかり。


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とても近いものがあり、私はワインに精通してる訳ではない
けれど、やはり意識的に味わうようにしている。
そして、何より疲れた心身を癒す一杯という点においても。。


KUSA. 喫茶、日曜日から、仕入れ、仕込みに追われてます。
今日は、5時間のピッキングで、これから焙煎。
毎度のことですが、せわしない休暇で終わりました。
でも、仕入れの間を縫って、ちょっとした気分転換も。
長年、研究を続けているそば粉のクレープ。
その名店、学芸大学の「POPHOT」さんで、
相変わらずのボリュームとしっかりした味付けを堪能。
そしてそして、代々木の隠れたワイン処「煮込み屋 なりた」で
凡百のワインバーが影を潜めてしまうような
極上のフレンチ&白ワイン。
今回チョイスしたアルザスの2005年ものは、
噂には聞いていたものの恐ろしく絶品で、
マスカットのきれいな酸と、これこそまさにテロワールの産む
フルーティーさ。
こういう一杯が、日常の疲れを吹き飛ばし、
新しいインスピレーションを産むきっかけになる。
私達のささやかな冬期休暇記念ボトル。

「MARCEL DEISS」
肉料理にも合うボディのある白を探していた方には、
是非おすすめ!




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KUSA.喫茶 冬休み中です. -2
その店だけのオンリーワンの何かを持った、
こだわりの珈琲店やカフェへ行くと、
そこを出た後のすがすがしさが違う気がする。
もう、何年も前から、きっちりオーナーさんのカラーを
打ち出したお店が増えてますよね。

最近でも文京区の「CORB」さんは、洗練されたミニマムな
スペースだし、岡山の「三村珈琲店」さんは古き良き昔の
珈琲屋の形を独自のセンスで練り上げておられるし..。

知人の「tocoro cafe さん」は、閉店後にしかお邪魔したことが
なかったのだけれど、ようやく営業時間中に足を運べました。
エスプレッソの専門店だけれど、モダンなカウンター主体の
隅々まで研ぎすまされた小さな空間。
見たこと、味わったことのないようなどこまでも細かい泡。
お湯で割っても、逆に引き立つ豊潤なエスプレッソの香り。


「オーナーのセンスにこだわり過ぎたお店は、
 お客さんが疲れるし止した方がいい」なんて、
私が店作りしてた頃、よく言われたが、もうそういう時代は
過ぎたんだな。
そういうお店のオーナーたちは押し付けがましくなく、
謙虚で美しく、ただそこに何時間でも居たくなる空気だもの。


tocoro







子を預けていて、慌ただしく去ってしまった「tocoro」さんの
お店を背にした道路は、だから、ひんやり空気が澄み渡り、
風景が引き締まった感じがし、一日の流れがそのお店のお陰で
がらっと変わってしまうのだし。




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こだわりの珈琲店やカフェへ行くと、
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もう、何年も前から、きっちりオーナーさんのカラーを
打ち出したお店が増えてますよね。

最近でも文京区の「CORB」さんは、洗練されたミニマムな
スペースだし、岡山の「三村珈琲店」さんは古き良き昔の
珈琲屋の形を独自のセンスで練り上げておられるし..。

知人の「tocoro cafe さん」は、閉店後にしかお邪魔したことが
なかったのだけれど、ようやく営業時間中に足を運べました。
エスプレッソの専門店だけれど、モダンなカウンター主体の
隅々まで研ぎすまされた小さな空間。
見たこと、味わったことのないようなどこまでも細かい泡。
お湯で割っても、逆に引き立つ豊潤なエスプレッソの香り。


「オーナーのセンスにこだわり過ぎたお店は、
 お客さんが疲れるし止した方がいい」なんて、
私が店作りしてた頃、よく言われたが、もうそういう時代は
過ぎたんだな。
そういうお店のオーナーたちは押し付けがましくなく、
謙虚で美しく、ただそこに何時間でも居たくなる空気だもの。


tocoro







子を預けていて、慌ただしく去ってしまった「tocoro」さんの
お店を背にした道路は、だから、ひんやり空気が澄み渡り、
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KUSA.喫茶 冬休み中です.
SEMINER








一昨日から都内で、
自家焙煎グループのブレンディングの勉強会です。
ブレンド配合だけでも、各店、千差万別。
当たり前ですが、同じ配合のお店なんて存在しません。
深煎りベースのもの。中煎りベースのもの。
同じ国、同じ農園の豆を同じ焙煎レベルで焼いても、
焙煎人によってがらっと香味が変わります。
その豆を幾通りもの配合でブレンディングしていくので、
珈琲って、やっぱり奥が深い!

珈琲豆は農産物なので、収穫年や収穫してからの時間によって
キャラクターの出方が少なからず違ってきますし、
もちろん焙煎してからも刻一日と香味も変わってきますので、
昔良く言われていた、「ブレンドはいつも同じ味じゃなきゃ」
というのはすごく厳密に言えばあり得ません。
でも、焙煎人は職人なので、一定範囲内で安定させる為に
こういうミーティングで情報交換し、昼夜四苦八苦してます。
一般流通の規格品の珈琲であれば、キャラクター性が弱いので
逆に同じような味を再現するという点では、楽なのですが、
カッピングテスト90点前後の農園ベースの珈琲を扱うには
それなりの力量が必要になってきます。


KUSA.喫茶では、マイルドな「KUSA. ブレンド」、
やや苦めな「KUSA.の深煎りブレンド」の二種類を
定番でお出ししてますが、
今期は、新しくブレンドが増える予定です。
その日の気分に合わせて、チョイスしてみて下さいね。





追伸. 久方ぶりの通勤満員列車。
   ぎゅうぎゅう詰めの車内、ストレス度はマックスで、
   自営業もしんどいけれど、会社員もしんどいですね。
   でも、動き出す車景からちらっと見える、
   プラットフォームに佇む女性の姿はなぜか美しく見えて
   少しだけ癒されます。昔から。
   男性的な意見でしょうか?


YAKEI
  





  「あの日のをとめのほほえみは
   なぜだか僕は知らないけれど
   しかし かたくつめたく 横顔ばかり」
                立原道造



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ブレンド配合だけでも、各店、千差万別。
当たり前ですが、同じ配合のお店なんて存在しません。
深煎りベースのもの。中煎りベースのもの。
同じ国、同じ農園の豆を同じ焙煎レベルで焼いても、
焙煎人によってがらっと香味が変わります。
その豆を幾通りもの配合でブレンディングしていくので、
珈琲って、やっぱり奥が深い!

珈琲豆は農産物なので、収穫年や収穫してからの時間によって
キャラクターの出方が少なからず違ってきますし、
もちろん焙煎してからも刻一日と香味も変わってきますので、
昔良く言われていた、「ブレンドはいつも同じ味じゃなきゃ」
というのはすごく厳密に言えばあり得ません。
でも、焙煎人は職人なので、一定範囲内で安定させる為に
こういうミーティングで情報交換し、昼夜四苦八苦してます。
一般流通の規格品の珈琲であれば、キャラクター性が弱いので
逆に同じような味を再現するという点では、楽なのですが、
カッピングテスト90点前後の農園ベースの珈琲を扱うには
それなりの力量が必要になってきます。


KUSA.喫茶では、マイルドな「KUSA. ブレンド」、
やや苦めな「KUSA.の深煎りブレンド」の二種類を
定番でお出ししてますが、
今期は、新しくブレンドが増える予定です。
その日の気分に合わせて、チョイスしてみて下さいね。





追伸. 久方ぶりの通勤満員列車。
   ぎゅうぎゅう詰めの車内、ストレス度はマックスで、
   自営業もしんどいけれど、会社員もしんどいですね。
   でも、動き出す車景からちらっと見える、
   プラットフォームに佇む女性の姿はなぜか美しく見えて
   少しだけ癒されます。昔から。
   男性的な意見でしょうか?


YAKEI
  





  「あの日のをとめのほほえみは
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KUSA.の一週間.
・外房、16日の晩に初雪。
 17、18日と雪がちらちら続く。
 秋口から続いていた風邪が完治せず、
 家族中でグルグル行ったり来たり、。
 今週から私の番。ぐったり。マスク、マスク。

・頂き物週間になってしまった。
 沖縄からひばり屋さん来店。
 貴重なセンダン草の蜂蜜、オレンジ頂く。
 常連さんの男の子からは、キウイと林檎、椎茸の木!
 ジメっとしたうちの庭に、好物の椎茸を育てたいなぁと
 思ってた矢先、実にタイミング良く。

 妹みたいなIさん。これまた、沖縄土産!
 SANGO

 

 きれいな貝殻に混じって真珠のような珊瑚。
 こんな珊瑚見た事ない。
 珈琲に入れると味がまろやかになると、沖縄では
 言われてるんだって。今度、試してみよう。

・木曜日は、ギャラリーtenさんとIさん。
 カウンター越しに雑談。
 見栄や世間体を気にせず、ラフスケッチに話が進む人達。
 憧れの人達。
 肩肘張ってばかりの自分を、ふと省みながら。


・仕込み、大幅に遅れて、動きたくない。
 分厚いルミノアニットにくるまって、
 何年かぶりにJEFF MILLS「ACTUAL」聞いている。
 JEFFMILLS


 


 


 こんなに良かったのか? 
 雪降る村の片隅に響く、美しきリズムトラック。
 今さらだけど、JEFF MILLSは、ダンスメーカーでなく、
 世界の終焉を見届けようとしている音楽家なんだなぁ。
 これを聞いていると、ポジティブさや、前向きさを
 事さら強調するよりも、ゆっくりと滅び行く私達の生き様を
 謙虚に、静かに見守っていく事の方が、今や
 求められているのでは? という気さえしてくる。



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・頂き物週間になってしまった。
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 常連さんの男の子からは、キウイと林檎、椎茸の木!
 ジメっとしたうちの庭に、好物の椎茸を育てたいなぁと
 思ってた矢先、実にタイミング良く。

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 きれいな貝殻に混じって真珠のような珊瑚。
 こんな珊瑚見た事ない。
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 言われてるんだって。今度、試してみよう。

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 憧れの人達。
 肩肘張ってばかりの自分を、ふと省みながら。


・仕込み、大幅に遅れて、動きたくない。
 分厚いルミノアニットにくるまって、
 何年かぶりにJEFF MILLS「ACTUAL」聞いている。
 JEFFMILLS


 


 


 こんなに良かったのか? 
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 今さらだけど、JEFF MILLSは、ダンスメーカーでなく、
 世界の終焉を見届けようとしている音楽家なんだなぁ。
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