2つの優れた美術展を観て、思った事.
2007.10.31 Wednesday 20:40
ここ数年の私の中の幾つかのテーマの一つに「SURVIVE」
生き抜くこと。生き延びること。というのがあって、
この秋観た2つのの現代アート展に重なる部分があったので
記しておこうと思った。
野口里佳「マラブ・太陽」を見る。
ドイツやスペイン等、写真先進国で高く評価されている彼女の
凱旋小個展。
この、言葉少なげな小品を見て、誰もが感じるのは、
静謐で美しいなという事だろう。
暗闇に浮かび上がる、淡く幻想的な色彩。
ほとんど動を感じさせない画面上の生物。
でも、静謐で美しい写真なら他にもあって、この作品群が
なぜか心に刻まれて行くのは、そこに、時間性と生性が
眠っている点だと思う。
写真集のみでしか観れなかったが、「鳥を見る」にしても、
「キプロス」にしても、動きの少ない点滴のような写真群の
中に、ひたすらカメラを定点し続ける彼女の姿が垣間見え、
この恐ろしく永い宇宙の歴史の中では、私達の一生など、
一粒の砂にも満たないはずなのに、そのまた一瞬の美を
刻み込もうと格闘している。
彼女は、この世界で、カメラという道具を以て、
サバイブしようとしているのだ。
坂本龍一 + 高谷史郎「LIFE」。
ちなみに、高谷さんは、世界最前線の舞台アートユニット
「dumb type」の映像作家さんで、これは、現在の新しい
アンビエントの形であり、メッセージはより直截的だ。
私達は、まるで、水面下から一筋の太陽光を頼りに、地球上の
様々な事象をフラッシュバックされているかのようだ。
そこにあらゆるキーワードが灯され、脳にインプットされる。
「調和」「暴発」「ジャンクション」「可能性」....etc.そして
「SURVIVE」。
これが、日本を代表する二人のアーティストの、世界的答えの
一つだ。
この世界をサバイブすること。
「生き延びる」という意思と危機意識を持たずに生きている人
又は、持たずにすむ人たちは幸せだ。
でも、そこからは、何か新しいものが産み出されることは、
多分ないだろう。
野口里佳「マラブ・太陽」 at ギャラリー小柳
SAKAMOTO Ryuichi + TAKATANI Shiro 「LIFE」 at ICC
生き抜くこと。生き延びること。というのがあって、
この秋観た2つのの現代アート展に重なる部分があったので
記しておこうと思った。
野口里佳「マラブ・太陽」を見る。
ドイツやスペイン等、写真先進国で高く評価されている彼女の
凱旋小個展。
この、言葉少なげな小品を見て、誰もが感じるのは、
静謐で美しいなという事だろう。
暗闇に浮かび上がる、淡く幻想的な色彩。
ほとんど動を感じさせない画面上の生物。
でも、静謐で美しい写真なら他にもあって、この作品群が
なぜか心に刻まれて行くのは、そこに、時間性と生性が
眠っている点だと思う。
写真集のみでしか観れなかったが、「鳥を見る」にしても、
「キプロス」にしても、動きの少ない点滴のような写真群の
中に、ひたすらカメラを定点し続ける彼女の姿が垣間見え、
この恐ろしく永い宇宙の歴史の中では、私達の一生など、
一粒の砂にも満たないはずなのに、そのまた一瞬の美を
刻み込もうと格闘している。
彼女は、この世界で、カメラという道具を以て、
サバイブしようとしているのだ。
坂本龍一 + 高谷史郎「LIFE」。
ちなみに、高谷さんは、世界最前線の舞台アートユニット
「dumb type」の映像作家さんで、これは、現在の新しい
アンビエントの形であり、メッセージはより直截的だ。
私達は、まるで、水面下から一筋の太陽光を頼りに、地球上の
様々な事象をフラッシュバックされているかのようだ。
そこにあらゆるキーワードが灯され、脳にインプットされる。
「調和」「暴発」「ジャンクション」「可能性」....etc.そして
「SURVIVE」。
これが、日本を代表する二人のアーティストの、世界的答えの
一つだ。
この世界をサバイブすること。
「生き延びる」という意思と危機意識を持たずに生きている人
又は、持たずにすむ人たちは幸せだ。
でも、そこからは、何か新しいものが産み出されることは、
多分ないだろう。
野口里佳「マラブ・太陽」 at ギャラリー小柳
SAKAMOTO Ryuichi + TAKATANI Shiro 「LIFE」 at ICC