原色の朝、一杯の熱い、フルーツのような珈琲を飲む。
そのために、必要な言葉たちの徒然。

新宿.
常連さんたちで賑わう午後。
気温28度の屋外を横目で眺めつつ、
過ごしてきた街のことなんかを話しながら。

話は、「やっぱり、新宿だよね」
というところで落ち着いた。




新宿だ。
おしゃれな百貨店やセレクトショップや
洗練されたカフェなんかができても、
いかがわしさがまだ残っている場所。

いかがわしいっていうのは、風俗とかじゃなくって、
野心を抱いたり、野心に押し潰されたり、
望みを失ったり...、
そういう人間達が目をぎらぎらさせながら
うごめいている気配を感じるということ。



今はなき、(不明..まだあるかも)
『セルフ23』という実験舞台をご存じでしょうか。
縦にも横にも天井にも無数の鉄パイプが張り巡らされ、
そこを縦横無尽に走り抜け、怒り、狂い、絶望する人々。
過激で暴力的な音楽。
そして最後に訪れる、凄惨さの果てのわずかな希望。

そんなものが似合う街。




人波かきわけ、とことこ歩く。
ガード下の薄暗い珈琲屋で、やけに濃い珈琲を飲む。
西新宿の裏路地にある、これも薄暗いカウンターだけの
ステーキ屋へ入り、無言のマスターが鉄板で焼く、
今まで味わったことのない(個人的には)うまい肉を食らう。
ジャーマンテクノか、ガレージ系のレコードを漁る。
中央公園裏の作業着屋で作業着を買って、明日の仕事を探す。
2丁目「ニューサザエ」(!)で、チープなディスクを
がんがん聞きながら、チープなゲイや、専門学生や、裏びれた会社員らと
夜を明かす。



午前6時、太陽はまっさらだ。
夏のアスファルトの匂い。
ぐらぐらする頭、こぎれいな人たち。
立ち食いソバのゴミを漁るカラスども。

そして、
「ああ、俺は、一人ぽっちだ」 と思う。

そんな街。




なんてことを思い出しつつ、
閉店後、珈琲豆、焙煎。
6回転、なり。






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新宿.
常連さんたちで賑わう午後。
気温28度の屋外を横目で眺めつつ、
過ごしてきた街のことなんかを話しながら。

話は、「やっぱり、新宿だよね」
というところで落ち着いた。




新宿だ。
おしゃれな百貨店やセレクトショップや
洗練されたカフェなんかができても、
いかがわしさがまだ残っている場所。

いかがわしいっていうのは、風俗とかじゃなくって、
野心を抱いたり、野心に押し潰されたり、
望みを失ったり...、
そういう人間達が目をぎらぎらさせながら
うごめいている気配を感じるということ。



今はなき、(不明..まだあるかも)
『セルフ23』という実験舞台をご存じでしょうか。
縦にも横にも天井にも無数の鉄パイプが張り巡らされ、
そこを縦横無尽に走り抜け、怒り、狂い、絶望する人々。
過激で暴力的な音楽。
そして最後に訪れる、凄惨さの果てのわずかな希望。

そんなものが似合う街。




人波かきわけ、とことこ歩く。
ガード下の薄暗い珈琲屋で、やけに濃い珈琲を飲む。
西新宿の裏路地にある、これも薄暗いカウンターだけの
ステーキ屋へ入り、無言のマスターが鉄板で焼く、
今まで味わったことのない(個人的には)うまい肉を食らう。
ジャーマンテクノか、ガレージ系のレコードを漁る。
中央公園裏の作業着屋で作業着を買って、明日の仕事を探す。
2丁目「ニューサザエ」(!)で、チープなディスクを
がんがん聞きながら、チープなゲイや、専門学生や、裏びれた会社員らと
夜を明かす。



午前6時、太陽はまっさらだ。
夏のアスファルトの匂い。
ぐらぐらする頭、こぎれいな人たち。
立ち食いソバのゴミを漁るカラスども。

そして、
「ああ、俺は、一人ぽっちだ」 と思う。

そんな街。




なんてことを思い出しつつ、
閉店後、珈琲豆、焙煎。
6回転、なり。






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coffee milk.
梅雨の谷間の晴れ間。
名も知れぬ雑草にも露しずく。


本日、店内混み合う。
一杯だてで入れているので、来店されたお客様には
お待たせしてしまい、お詫び申し上げます。
夕方には、ミルク切れ。。
この時期のミルクの在庫調整、とても難しいです。
うちだけでしょうか..。




今日、女性のお客さんに「東京のカフェでどこが好きか」と
聞かれ、「大坊珈琲店です」と答えたのだけど、
よくよく考えてみると一番通っていたのは、神保町の
「きゃんどる」だ。今のとはちょっと違って、
旧「きゃんどる」。

東京にはおしゃれで洗練されたカフェがとても多いから、
昔ながらの佇まいの店に入ると、ふぅーっと
胸が溶けるような深呼吸ができます。
雨の匂い、風の感じ、雑踏の息づかいが
店の中にいても手に取るように感じられて。


雨上がりに古本街を抜け、買ったばかりの古い小説と、
ジャズレコード片手に、「キャンドル」の蔦の中へ入っていく、
あの感じ。
講義さぼった事も、初夏の人いきれの中へ消えて行くし。
俄然、消えていくね、もう。

90年代の青春グラフィティー、or、サマージャム!? 
ってお金なんか全然無かったけれど、あの黴臭いワクワク感、
結局、それが味わいたいんだね、きっと僕は。
今でも。




























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coffee milk.
梅雨の谷間の晴れ間。
名も知れぬ雑草にも露しずく。


本日、店内混み合う。
一杯だてで入れているので、来店されたお客様には
お待たせしてしまい、お詫び申し上げます。
夕方には、ミルク切れ。。
この時期のミルクの在庫調整、とても難しいです。
うちだけでしょうか..。




今日、女性のお客さんに「東京のカフェでどこが好きか」と
聞かれ、「大坊珈琲店です」と答えたのだけど、
よくよく考えてみると一番通っていたのは、神保町の
「きゃんどる」だ。今のとはちょっと違って、
旧「きゃんどる」。

東京にはおしゃれで洗練されたカフェがとても多いから、
昔ながらの佇まいの店に入ると、ふぅーっと
胸が溶けるような深呼吸ができます。
雨の匂い、風の感じ、雑踏の息づかいが
店の中にいても手に取るように感じられて。


雨上がりに古本街を抜け、買ったばかりの古い小説と、
ジャズレコード片手に、「キャンドル」の蔦の中へ入っていく、
あの感じ。
講義さぼった事も、初夏の人いきれの中へ消えて行くし。
俄然、消えていくね、もう。

90年代の青春グラフィティー、or、サマージャム!? 
ってお金なんか全然無かったけれど、あの黴臭いワクワク感、
結局、それが味わいたいんだね、きっと僕は。
今でも。




























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草むしりとか.
朝、霧のような雨が緑の木々を濡らす。


じっくり時間をかけて、グアテマラを焙煎。
焙煎してピッキングして、お客さんと話しつつ、合間見て草むしりだ。
田舎の珈琲屋の周りは、生い茂る雑草で大変です..。


途方に暮れて、店で佇んでいると、夕刻、八街からジェンべ奏者のIクン。
コロンビアなど飲みつつ、探していたジェンべを紹介してもらう。
ガーナ製、打面32cm。
かっこ良くて、うきうきする。早く叩きたい。



ともあれ日々は、あっと言う間だ。
店に何もなくとも、犬は吠え続けるし、アフロのリズムは胸に鳴り響く。

希望は、まだ、ある。







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草むしりとか.
朝、霧のような雨が緑の木々を濡らす。


じっくり時間をかけて、グアテマラを焙煎。
焙煎してピッキングして、お客さんと話しつつ、合間見て草むしりだ。
田舎の珈琲屋の周りは、生い茂る雑草で大変です..。


途方に暮れて、店で佇んでいると、夕刻、八街からジェンべ奏者のIクン。
コロンビアなど飲みつつ、探していたジェンべを紹介してもらう。
ガーナ製、打面32cm。
かっこ良くて、うきうきする。早く叩きたい。



ともあれ日々は、あっと言う間だ。
店に何もなくとも、犬は吠え続けるし、アフロのリズムは胸に鳴り響く。

希望は、まだ、ある。







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父、帰る.
という菊池寛の戯曲がありましたが、明日は、父の日ですね。

KUSA.の父の日ギフト、たくさんのご予約頂きまして、ありがとうございました。
今は一人営業。閉店後に黙々と箱詰めして。。
本日、ほとんどの発送を終えました。


父は、色々。
お金持ちの父にも貧乏な父にも、
優しい父にも偏屈な父にも、
楽している父にも汗水垂らしている父にも、
幸せな父にも悲しみに明け暮れている父にも、

この小さな珈琲屋の小さな箱を開けて
例えほんの数秒でもいい、嬉しいと思ってもらえたら
それだけで十分です。





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父、帰る.
という菊池寛の戯曲がありましたが、明日は、父の日ですね。

KUSA.の父の日ギフト、たくさんのご予約頂きまして、ありがとうございました。
今は一人営業。閉店後に黙々と箱詰めして。。
本日、ほとんどの発送を終えました。


父は、色々。
お金持ちの父にも貧乏な父にも、
優しい父にも偏屈な父にも、
楽している父にも汗水垂らしている父にも、
幸せな父にも悲しみに明け暮れている父にも、

この小さな珈琲屋の小さな箱を開けて
例えほんの数秒でもいい、嬉しいと思ってもらえたら
それだけで十分です。





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雨の日に、はっぴいえんど.
雨の日の朝、「はっぴいえんど」を聞く。
開店準備中の心に何よりフィットする。

高校の修学旅行で長崎へ行ったのだが、
その時、なぜかこの街のBGMには、はっぴいえんどこそ
ふさわしいと勝手に決めていて、それでずっと、
バスの窓から、雨に濡れる路面電車見ながらウォークマンで
聞いてた。移動の間ずっと。
おかげで、今でも長崎と聞くと、
「起きぬけの路面電車が海を渡る」光景を想像してしまう。。

「田舎の白いあぜ道で、埃っぽい風が立ち止まり。
 
 舞い降りて来た静けさが、
 古い茶屋の店先にぶらさがる」

KUSA.が、そんな、古い茶屋のようになれたら嬉しい。



夕刻、雨上がり。
常連さんとお話していたら、窓越しの水たまりに夕焼け乱反射。
それで、その昔といっても数年前だが、
若き歌人の書いた短歌を思い出す。

「噴水に
 
 乱反射する 光あり
 
 まだ性愛を 知らないわたし」


小島なおさんが、まだ高校生だったとき産み出した傑作。


これも、雨上がりの珈琲屋の心にとてもフィット。












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雨の日に、はっぴいえんど.
雨の日の朝、「はっぴいえんど」を聞く。
開店準備中の心に何よりフィットする。

高校の修学旅行で長崎へ行ったのだが、
その時、なぜかこの街のBGMには、はっぴいえんどこそ
ふさわしいと勝手に決めていて、それでずっと、
バスの窓から、雨に濡れる路面電車見ながらウォークマンで
聞いてた。移動の間ずっと。
おかげで、今でも長崎と聞くと、
「起きぬけの路面電車が海を渡る」光景を想像してしまう。。

「田舎の白いあぜ道で、埃っぽい風が立ち止まり。
 
 舞い降りて来た静けさが、
 古い茶屋の店先にぶらさがる」

KUSA.が、そんな、古い茶屋のようになれたら嬉しい。



夕刻、雨上がり。
常連さんとお話していたら、窓越しの水たまりに夕焼け乱反射。
それで、その昔といっても数年前だが、
若き歌人の書いた短歌を思い出す。

「噴水に
 
 乱反射する 光あり
 
 まだ性愛を 知らないわたし」


小島なおさんが、まだ高校生だったとき産み出した傑作。


これも、雨上がりの珈琲屋の心にとてもフィット。












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