原色の朝、一杯の熱い、フルーツのような珈琲を飲む。
そのために、必要な言葉たちの徒然。

'17.06.06.


私達のイマジネーションは、記憶によってのみ作られるとジョイスは書いているらしい。
その通りだ。

記憶の断片へ、ダイブせよ。
クレマチス咲く庭先で、
新たな記憶の断片へダイブせよ。




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そんなことを思い巡らせたのはiaku 「粛々と運針」を観たせいだ。






会話劇の傑作。
強度な脚本。


如何ともし難い私達の価値観のズレ。
原罪のように私達にまとわりつく、生まれ来る命と去り行く命の不条理。
交錯して抜け出せない。


『手始めに、俺は、子猫を探し出すことにするよ。』
(希望は、それからだ。)

夫の最後の台詞は、ともすると日常の目の前の事からも目を逸らしたくなる私の胸にずしんと響く。




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'17. 05.14.

フィールド録音盤にはどうしてか心揺さぶられるものがあって、それは屋外の無限の音の数々の切り取り方、選択、録音方法が見事に昇華された時、聴き手はその原体験に触れるような、原罪に向き合うような、眩ゆい脳内体験を経験することができるからなのだ。

個人的にも、何枚ものフィールド録音盤を聴いているが、Roberto MusciとGiovanni Venosta、二人の稀代の現代音楽家が製作した、第三世界の民族音楽と音の粒子を実験的、電子的に再構築し直した人生に何枚か出会えるかどうかの名盤、
台湾奥地のブヌン族の民族音楽とDavid Darlingのチェロが奇跡的に遭遇したフィールドレコーディング盤、
最近ではDavid Michael の飾り気のない、しかし超高密度な録音盤などなどは間違いない愛聴盤だと断言できる。






そして、昨年出会ったベストは沖縄の神の島、久高島より。
琉球古来より行われてきた幻の祭祀、イザイホーの一部始終。
宮里千里録音。
神々しく郷愁的で神秘的で最も身近的。
諸々の意味で、紛う事なき貴重盤。






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'17.05.06.

両国の実験的スペースと言えば両国門天ホールですが、只今かなりディープな映像特集やってます。




奈良ゆみさんのパフォーマンスソロ観てきました。
松平頼則はマージナル、ミニマム、アヴァンギャルドかつ正統派、どの意味でも世界を代表する現代音楽家の一人かと思いますが、その松平氏が入れ込んだソプラノ歌手です。
松平氏の晩年の作品、ケージの中期楽曲を散りばめながらの圧巻かつ貴重なパフォーマンスでした。




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'17.04.16.

20年振り位に見た、草間彌生展覧。

益々尋常な量でなく。

数十メートルの壁一面に無限の極彩色。





エネルギー貰うなー、
同時に、彼女より未だ若い私達世代の飛び抜けなさ、こじんまりしちゃってる感を引け目にも感じるなー。


芸術家への最大の賛辞。

「狂ってる!!
陽気さが脳を突き抜けてしまった程に。」




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'17.04.01.

その日出会ったみんなが美しくて忘れられない。そんな日がある。
誰にだってある。


焙煎、何とか終わって、夜風に佇む。
音楽と写真。




「増田貴大 2014-2016」

センチメンタルで、ソリッドで、 夕景が時々淫靡で、刹那的。

去年見た写真の中で、最も、哀しい。


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2017.01.31.

言う程コアなファンという訳ではないものの、アルバムを見つけたら視聴位は必ずするし、ライブ情報だって目に止まれば一応インプットはしとく。
でも、せわしなく時が過ぎれば、すっかり何枚かの新作を聴き逃している。
そして、久方ぶりに聴いたそのバンドの音はいつの間にか異次元へと突入してた。
よくあるパターン。
例えば、nisennenmondaiの「N」「N'」「#N/A」の流れなんかが私にとってのそれ。








ドラム主導に変わりはないが、スリーピースの女性三人の偏執狂的な音圧感が生音ハードコアテクノへと姿を変え凝縮された、くぐもった高速夜景の風景を一変させるには十二分な鬼作。


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2016.10.31.


雨が降り出しそうな降らなさそうな、
人の気配を消し去りそうなそうではないような、
曇り空の嫌らしい夕。
渋谷。
ハロウィンの人たちの隙間をくぐって、
MerzbowとRyoji Ikedaのライブ。
会場、外国人も多く、超満員。






秋田昌美氏は、ここ最近のライブでは珍しく自作ギター搔き鳴らし、Merzbow史上最大値に近い拷問のような轟音。50分一曲、途中、眩暈。

続いてRyoji Ikeda、supercodexのライブセット。
dumb type時代からの超重量級の低音変わらず。デニムの裾、手にしてるビールが音圧で揺れる。


極北の音源たち。

鼓膜が破壊されたかのように、翌日になっても耳鳴りが止まず。


音楽の根源は、祈りと祭り事にあるのかもしれないけど、その更なる根底には暴力が通底している、ということを2016年の今、日本ノイズの牽引者と世界最高峰の電子パルス実験音響家が、www xという日本屈指の音響設備を誇るライブハウスで体現してみせた、長い音楽の歴史の中でのある部分、ある側面においての転換点となったと思われる一夜。



外に出て、ハロウィンの行進、継続中。気分、乗らず。

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'16.08.02.

夏の気怠さが抜けない。
朦朧とした意識の中で、焙煎をこなす。
頂いたキュウリを塩揉みして、頂いた手打ち蕎麦を茹で、頂いた特上の鯖節で蕎麦ツユを仕上げ、家族三人で大事に頂く。何とか暑さをしのぐ。







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私の中には、一粒一粒の珈琲を焼き上げながら、一編の詩を産み出しているのだという意識がある。かっこつけて言うとしたら。
ある時は、アフリカエチオピアの果実の実を反映させ、ある時は南米コロンビアの麻薬じみた甘い空気を反映させ。


中学生の頃、退屈な授業を半ば流し聞きしながらぼんやり窓を眺めていた時、どうでもいい校庭に真っ白な花びらが舞うのを知る。ノートの端に初めて言葉を連ねた瞬間だ。
高校生の頃、まだエアコンのない教室で、憧れの人を思いながら、汗ばむ指で、手で、やっぱりノートの端にラブレターのような言葉を叩き続ける。
そして、大学生の時、一人の優れた詩人に出会い、それからは、文字に捉われず、会話や仕事ぶりや服装や、全てに「詩」を宿すことが出来れば良いのにと、その思いは珈琲店で働く、「今」、「この自分」にもしっかりと刻まれ続けている。

吉増剛造だ。




「声ノマ 全身詩人 吉増剛造展」。

吉増剛造や吉本隆明の現代詩の素晴らしさを、意味や評価で幾らでも語れるのだけれど、結局最終的に辿り着く特筆すべきは、この詩人たちの圧倒的な物理的物量なのだ。
全て、表現に携わる人は、国立近代美術館に初めて展示される、吉増の半世紀に亘る凄まじいドローイング文字の物量に、文字のインプロヴィゼーションに、面と向かうべきだ。

『愛したい
人間を!
女を!
太陽が消え果てる程!』

の狂気に触れられるはずだから。
生涯三本の指の一つに入る展覧。少なくとも私には。





このリーディングテープの一本を私は桐箱入りで所有しているのです、ある詩人の方に譲り受けて。これはただの自慢ですが、宝物の一つ。


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'16.06.29. 珈琲銘柄のお知らせなど




ぽつねんと。

何だか美しい、色彩も、ドローイングも、佇まいも。

以前、展覧会時に珈琲豆を提供させて頂いた、表現作家・佐藤貴志さんの作品。

大切に、大切に。







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公式HPの状態がかんばしくなく、更新が遅れております。

「リキッドアイス珈琲 '16 NO.1」
完売しております。

「リキッドアイス珈琲 '16 NO.2」
出来上がりました。今週土曜日より販売させて頂きます。
こちらは、少し爽やか、軽やか、少しエキゾチック。
盛夏にごくごくと、どうぞ。



「コロンビア ウィラ地区 エルパライソ生産者ユニット 」完売しました。

「コロンビア ナリーニョ地区 ラミーロ・セロン氏の農園 ティピカ種 ウォッシュト精製 ハイロースト」新入荷(660円/100g)
原生品種の一つ、ティピカ種の代表的産地だったコロンビアにおいても、純粋なティピカ種の生産は年々、減り続けております。
ティピカ種の香味はその柔らかさ以外は多様で、焙煎人たちに聞いても、それぞれ違う印象を述べたりします。
ただし、真っ当な珈琲の代表であることは間違いなく、このティピカもマイルドかつ心地よい舌触りがあり、私もそれを意識して香味作りしました。
エルパライソも素晴らしいバランス感でしたが、次はしばらく、伝統的ティピカの真っ当さをお愉しみ下さいませ。


「ブラジル セラード地区 ダテーラ農園 」完売致しました。

「ブラジル セラード地区 マカウバ・デ・シーマ農園 ブルボン種完熟ボイア パルプトナチュラル精製 フルシティロースト」再入荷(630円/100g)

ボイーア、やっぱり良いです。
樹上で珈琲チェリーを熟させて、さらにやや乾燥状態までもっていたものです。

軽やかなボディの中に、レーズンやナッツっぽい複雑さが絡んでいます。
酸味も苦手で、苦みもきつくないもの、という珈琲をお探しの方は是非お試し下さいませ。

「ニカラグア ファティマ農園 ジャバニカ種 ウォッシュト精製 ミディアム〜ハイロースト」新入荷 (680/100g円)
豆面からしてやや細長く、クラシックな品種です。貴重な品種の一つですが、香味は個性よりもクラシカル。
クリーンで甘いマイルド珈琲で、ハーブのようなニュアンスを漂わせます。年配の珈琲通の方は「懐かしい香味だ」と言いそうですし、
サードウエーブに慣れた若者にとってはある意味、新鮮な酸味に感じられるかもしれません。
バランスの取れた良い珈琲だと思います!


色々、飲み比べして、それぞれの夏にふさわしい一杯を見つけて下さい。






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'16.06.14.

初めて宇宙に気づいた時から、常に意識に残っていることがある。
皆さんもそうではないだろうか。

この何万光年にも渡る宇宙の時間軸と、無限の宇宙空間軸の中にあって、私達は塵ほどにも満たぬ存在で、恐らくは何も知らない。
全く、何も、知らない。

そして、恐るべきことに、それは真実だ。

揺らぐ木々、怒り、喜び、塵の中。

それはそれでいいじゃないかと考える人は、真っ当に人生を終えることができ、それでも塵としての存在意義を見い出そうとあがく者は、脳内狂気の領域へ足を踏み入れることになる。
簡単に言えば、哲学者となり、詩人となる。

















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すごく好きか、嫌いかで言えば、後者。

園子温。

でも、何故だか、10代からの我が邦画監督鑑賞歴で言えば、ずっとこの人といる。

俺は園子温だ、自転車吐息は中野武蔵野ホールで、the room、紀子の食卓、愛のむき出し、ヒミズ、その他諸々。





そして、この、ひそひそ星。
初日に鑑賞。

日本映画の歴史の中での最高傑作と呼ぶ人がいて、学園祭で上映されるレベルの自主映画と呼ぶ人もいて。


でも、これは、園が撮り続けんとしてきた、一遍の詩の映画だった。

賛否両論なのは当たり前。
「機械、マシーン、ナンバー...」のヴォイスが反復する。フクシマの光景が近未来の何処かの星とリンクする。
一見、分かりやすい、でもフイルムに刻印されている人、森、台所、海、段ボール、それらは全部、実は本物の詩、つまり狂気の世界そのものの投影なのだから。







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